そんな中で今回取り上げるのは、インフルエンサーのSNSにおける作業工程や価値観を知らないことで起こるトラブルについて。
インスタグラムで影響力をもつインフルエンサーたちが『ただ日常の写真をアップしているだけ』というのには大きな語弊があります。彼女たちは、写真のクオリティを保つために、投稿写真の構図を考え、プロフィール画面の並びを考え、全体の統一感・世界観を考えながら投稿しています。
そうして出来上がっていく投稿写真を見て、同じ趣味・趣向をもつユーザーがフォロワーとして“ファン”になっているのです。
彼女たちにとって投稿写真とは、いわば“作品”であり、その一枚の投稿写真にかけられた時間と労力は並大抵のものではないことを企業側も理解を深める必要があります ──────
Case:9〈再投稿を依頼される〉

〈 インフルエンサーJ氏の証言 〉
─── 依頼された時点で、指定はなかったんですもんね?
J氏:そうです。なので不安になって、投稿の前に『こういう風に投稿しようと思いますが大丈夫ですか?』っていう確認をしたんです。それなのに投稿したらNGと言われてしまって…。
─── それじゃ確認した意味がないですよね…
J氏:そうなんです。でも問題はその後で…。『再投稿してください』と言われたんですよね。
─── インスタグラムって画像の差し替えとかできないですもんね。
J氏:そうなんですよね。でもそれだけではなくて、私たちが投稿するまでにどれだけの時間をかけて一枚の投稿をしているのかを知らないんだなって。
─── 正直、軽くみている節はありそうですよね…
J氏:一枚の写真を投稿するのにも何十枚、何百枚っていう写真を撮って、その中から厳選した1枚を前の投稿とのバランスをみながら加工して、投稿の順番を考えて……ってやってると、本当に1日があっという間なんですよ。
─── しかもそれが再投稿となると、その投稿を削除して再度新しいものを準備して投稿するっていうことですもんね。最初に提示されていた内容からかなり変わっているし、事前に確認もしているのに、それはハードルが高いですね…。
J氏:そうなんです。それにせっかくその投稿をみてリアクションしてくれた人にも失礼だし、純粋に好きでフォローしてくれている人にそういう事情を見せることになってしまうことも嫌です。
─── それはそうですよね……。
J氏:私たちも本当に良いと思ったものだけを厳選して紹介するようにしているのに、そうゆうところが見えてしまうと嘘っぽく見えてしまうし、後味も悪くなります。せっかく良いと思って受けた仕事だし、良好な関係でいたいからこそちゃんと分かって欲しいなと思います。
LAST RESORT

今回の解決・改善POINT
*投稿前に下書きチェックを依頼し、その際再投稿はできないことを念押ししておく
*できることとできないことは明確に伝え、歩み寄れる部分を探して交渉する
フリーランスとして仕事をする上で「人とのコミュニケーション」は避けて通れません。
今までにはなかった新しい働き方が形成されつつある現在は、お互いを理解するためのお試し期間とも言えるでしょう。
お互いへの理解が進んだ時、更なる飛躍を見据え活動を共にするパートナーは、フリーランスや企業という概念を越えるものとなるはずです。
自分がもし、こんな場面に直面したら?リデルでは、まだまだ生まれたばかりのインフルエンサーという存在がしっかりと自立/自律を成し、個人の可能性を最大限に発揮できることを目指して、活動しています。
あなたの抱える悩み・体験談を聞かせてください。
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