しかしSNSのことが分からず依頼をしたはずの企業が、インフルエンサーの知見や知識に疑問を持ち、頑なに指定をしてしまう企業もあるようです。今回は、そんなインフルエンサーと企業の間に起きたトラブルについて伺っていきます ──────





Case:14〈的外れな投稿方法の指定〉

〈 インフルエンサーN氏の証言 〉

自分のアカウントやフォロワーとの相性が良さそうだと踏んで受けた案件。しかし、作品を提出した段階で、投稿方法を動画に変更して欲しいとの要請があった。静止画だからいい案件だと提案したが却下され、フォロワーにもなかなか受け入れられず悔しい思いをした。

─── どんな案件だったんですか?

N氏:決められた題材をもとに漫画を描いて投稿して欲しい、というような内容でした。なので静止画で漫画を描いてクライアントに提出したのですが…


─── 動画にして欲しいって言われたんですね…

N氏:はい。なぜか動画にすごくこだわりがあって「投稿内容によって適した投稿方法を選ぶ必要がある」ということを伝えても全く理解してもらえなくて…


─── 動画もすごく注目されて流行った時期があったし、気持ちは分からなくもないですけど…。漫画だったら皆自分のペースで読みたいですよね…

N氏:そうですよね。だけど納得してもらえず、しぶしぶ動画にして投稿しちゃいました。


─── え!そうなんですか?

N氏:はい。自分のアカウントとも相性が良い案件だっただけに、本当に残念でした。静止画で投稿させてもらえていたら、もっと効果としても良かったんじゃないかなと思うと余計に…


─── もしクライアントが最初から動画をやりたかったのであれば、動画を軸において成果が出る方法をNさんに相談すれば良かったですよね。

N氏:そうやって相談してくれていたら何か提案できたのかもしれませんけど、漫画というのは最初から決まっていたので、当然のごとく静止画での納品だと思っていましたし…。


─── イレギュラーな指定がはじめからあったのなら先に提示してくれないと困っちゃいますね。投稿するのはインフルエンサー側ですからね。

N氏:そうなんです。投稿したら、ずっとフィードに残るので。だからそういうイレギュラーがあって自分の思うような投稿ができなかった時は、一定の期間掲載したあと投稿を削除したりしちゃいますね。


─── それまで投稿のルールを決めて運用してきているわけだし、SNSのアカウントはいわゆる自分のメディアですからね。インスタグラムの場合は素材を差し替えたりもできないし、そうせざるを得ませんよね。








LAST RESORT


*投稿内容には静止画と動画の2パターンあることを理解し、指定で曖昧な表現がある場合は、依頼を受けるときに静止画での投稿か動画の投稿かを先方に確認する。

*自分が受け入れられない投稿条件があった場合は依頼を断る

インフルエンサー個人がもつ世界観を表現したSNSのアカウントは多くのユーザーがその投稿内容を見に訪れ、いつしかひとつのメディアとして機能しはじめています。インフルエンサーは、そうしてできたメディアの編集長的存在であると、私たちは考えています。企業には、インフルエンサーがつくりあげたメディアに“掲載してもらっている”ことを忘れることなく対等の立場で良いものをつくろうという姿勢が求められます。


一方でメディアの編集長的役割を担うインフルエンサーは、今回のような提案を受けた時、企業に対してどのような対応をとるべきだったのでしょうか?

まずは投稿内容の指定にあやふやな指定があった場合、その内容を確認すること。それでも今回のような形で意図せず依頼を受けてしまった場合には、きちんと「できないこと」と、それが「なぜできないのか」を先方に伝えること。企業が納得のいく代替え案を提示することで、企業との関係性や信頼関係が構築でき、今後もパートナーとして付き合いが続いていくようになるのではないでしょうか。


自分がもし、こんな場面に直面したら?リデルでは、まだまだ生まれたばかりのインフルエンサーという存在がしっかりと自立/自律を成し、個人の可能性を最大限に発揮できることを目指し、活動しています。



















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