気をつけていること

───すみれさんの投稿はいつも可愛いくておしゃれ。そのセンスはどこから?
すみれ:え〜ほんとですか、うれしいです。昔クラシックバレエをやっていて舞台セットを見るのも好きですし、美術館にも行きますし、芸術関係全般は好きです。洋服も好きですし、昔から『mc Sister』や『Olive』はよく読んでいました。みんなに驚かれますけど今だに雑誌は買ってるんです。
───写真はiphoneですか?
すみれ:iphoneで撮ってvscoで加工します。撮流のはすごく早くて、すぐに構図がパッと決まるので、何枚も撮らないです。そのあとの加工するのがすごく好きかもしれないです。
───加工は何にこだわってます?
すみれ:自分が納得する色味にはこだわっていて、その時のテーマ、例えばマフィンならお皿よりもマフィンが美味しそうに見えるように色味を調整します。雨の日に同じ場所で撮っても、色って全然違います。ご飯なら美味しそうに、服だったら可愛く見えるところにしたいなっていうのはあります。
───投稿することがしんどいと感じることはないですか?
すみれ:辛いというのは全然なくて、むしろ楽しみでしかないんです。最初は素敵なものをのせたいという気負いがどこかにあって、周りを気にしていた部分もあったと思います。でも自分の好きなものでいいんだと思えるようになってからは、好きなものをここに置いておけることが楽しくて。いまは気負いは全くないし、投稿頻度にしてもいいなというものがあった時だけでいいかなと、あまりこだわってないんです。
───すみれさんのインスタグラムのプロフィールに「□に好きを閉じ込めたい!」ってありますもんね。
すみれ:自分の好きがここにぎゅっと詰まってるんです。スイーツに限らず空間や服、いろんな自分のすごく好き、素敵、というものだけを置いておきたいんです。だから、後から見ても可愛いなと思えるものがいいなって。
───まさにインスタはすみれさんの宝物箱みたいな感覚なんですね。写真はどういう時に撮るんですか?
すみれ:何を撮ろうかなって考える日もあるし、たまたま出かけた日にこれは絶対載せたい、撮りたいって思うものに出会うときもあります。子供が小さい頃は一眼レフで撮影していましたけど、大きくなってからはほとんど触っていなかったので、こんなふうに日常的に何かを撮影するのは久しぶりです。今は身の回りにある、色々なことに気がつくようになったと思います。
───たとえば?
すみれ:仕事中に目にしたものだったり、何気なく食べているものでも実は可愛いじゃないかと思ったり。みんながポケモンGOを楽しむみたいに、私は身の回りにあるものから好きなものを何か見つけて、撮って、触って、それで載せるっていうのを楽しんでやってる感じなんです。
───フォロワーさんが多いと反応が気になりませんか?
すみれ:やっぱり景色の写真ばかりが続くと、みんながっかりしちゃうかなっていうのも考えます。でもフォロワーさんの数がどうかではなく、それよりも好きなもの、いいものを置いておきたい、という気持ちが強くなりましたね。
───自分の“好き”を大事にするって素敵ですね。
すみれ:これからもマフィンは焼き続けるのでそこはブレないんです。ほかにもある私の好きなものも、見てくれたらうれしいなと。
───すみれさんが書く文章にも、柔らかいお人柄が出てますよね。
すみれ:不快な思いにならないように、というのはいつも思ってます。私は取り立てていうことのほどはないし、みんなに「一緒だな〜」って思ってもらえるのが一番うれしいんです。私の投稿を読んで「やってみたい」「自分もそうや〜」って思ってもらえたらいいなと思いますね。
───インスタ経由でのお仕事の依頼はどう対応されていますか?
すみれ:自分のところに残るものなので、自分の世界観に合わないものはお受けしてないですね。受けたものに関しては、どうやったら画面の中で可愛くなるだろうと考えていくのは楽しいです。商品が主役にならないといけないし、画面の中で最初に目がいくようにしたいなと思っています。
───動画のオファーは来ますか?
すみれ:動画はなかなか撮らないんですけど、最近はオファーが増えてきたということもあって、娘にストーリーズの使い方を教えてもらったんです(笑)。動画となると写真で撮っていた画角と変わるので、「あれ、可愛くないな」ってなることも。でも、動画も画面なので自分の好きな世界観が作れるから、難しいけど楽しいです。
これからしたいこと
───インスタグラムをやっていてよかったことは?
すみれ:自分の世界が広がったというのはあると思います。やりたいことがどんどん増えてくるんですよ。マフィンに限らず、好きなことがたくさんあって、音楽や絵、映画…そういうものに身近に触れられるじゃないですか。インスタで知ったことや繋がっていく世界があって、自分自身が広がったし、刺激を受けてますね。
───よくチェックしているアカウントはありますか?
すみれ:たくさんあるんですけど、一番最初に好きになった@mih0nさんのセンスがすごく好きで。写真家の@hamadahideakiさんもインスタがなかったら見る機会がなかったと思います。それから、私のアイコンを描いてくださった@sayurinishikuboさんも。
───これからどんなことがしたいですか?
すみれ:インスタというより、私のマフィンを食べたいと言ってくださる方に食べてもらえる機会があったらいいなと思います。それで率直な意見を聞ききたいんです。「こういう方が好みです」とか「こうした方がいい」とか。自分だけだと自分が美味しいものだけを作り続けて、何も変化がないので。誰かに食べてもらって何か言っていただけるのがうれしいんです。
───たくさんの人が食べたいって言うと思いますよ!
すみれ:欲しいと思ってくださる人に届けられたらいいですよね。マフィンは写真だけでなく匂いも好きなんで、それを感じてもらいたいなって。
───すみれさん、ありがとうございました!
マフィンに限らず、洋服も風景も…すみれさんの”好き”が詰まったインスタグラム。私たちがその世界観に惹かれてしまうのは、ただおしゃれというだけではなく、「私は私らしく」というすみれさんのブレないマインドを感じるからかもしれません。
そしてもう一つ。すみれさんが撮影しているのは身の回りにある日常です。私たちの周りにはこんなにも”可愛い”が溢れていることに改めて気付かされます。日々生き急いで見過ごしているモノやコト。少し立ち止まってゆっくりと──インスタを見ているとあたたかな気持ちに包まれます。
これは余談。インタービュー当日、すみれさんが一番お気に入りというブルーベリーのマフィンを焼いて持ってきてくれました。今まで味わったことのない食感と味わい。美味しい、また食べたい、と心から思った編集部でした──