モデルになりたかった学生時代、旅に目覚めたモデル時代

石井小百合 / @sayuvanila・Instagram

「モデルになりたい」その一心で入学した専門学校を卒業し、モデル活動を行っていた石井さん。思い描いていた通りの道を進んでいた彼女でしたが、友人から誘われた旅で彼女の運命は大きく変わったのでした。


─── 旅に出会ったきっかけを教えてください。

石井さん:20歳の時、友達と1ヵ月半かけてヨーロッパを一周しました。はじめは本当に何も知らなくて、ヨーロッパが国だと思っていたくらい無知で(笑)その旅で刺激を受けて、旅をいろいろな人に伝えたい!と思ったのがはじまりです。

─── 当時は読者モデルをしていたのですよね?

石井さん:そうです!でも、旅に出ている期間と撮影日が重なることが多くなって、だんだんモデルの仕事に呼ばれなくなって…。そのときは超ショックでしたけど、それなら自分の好きなことを伝えられるブロガーさんになりたい、と思って。

─── 「発信」はブログからはじまったのですね。

石井さん:最初はアメブロ、それからツイッターにいって、facebook。SNSは渡り歩きましたね。ろくに就職もしていなくて、バイトしながらやりたいことだけ貫き通して。10年経ってやっと、今までやってきたことが形になったという感じです。

─── もともと、写真は好きだったのですか?

石井さん:旅と写真は一緒に出会いました。初めて旅に行ったとき、なんとなくデジカメを持っていって撮っていたら楽しくて。本当にすべてが自然にはじまった感じです。

世界観へのこだわり

一切の妥協を感じない彼女の投稿からは、並ならぬ世界観へのこだわりを感じます。正面からのショットが少ないと感じたのにも、彼女なりの理由がありました。

─── 世界観で大事にしていることは何ですか?

石井さん:旅の写真を見て“いいな”と思ってもらうというよりは、「実際に行きました!」っていう、リアルな体験を与えるキッカケになりたいと思っています。投稿で後ろ姿の写真が多いのは、見た人が自分と置き換えられるような写真が撮りたいからです。「ここに行けば、こんな世界が見られるんだ」って、そこまで想像してもらえる写真になるように意識しています。

─── 今までで特に嬉しかったコメントって何ですか?

石井さん:やっぱり「ここ行ったら最高でした」とか、そんなコメントがあると死ぬほど嬉しいです。行ってくれたんだーって。

─── 場所によって雰囲気の変わるファッションも素敵ですよね。

石井さん:洋服は、現地の服を着るのが好きなんです。一応日本からも何着か持って行くんですけど、事前に行く場所を調べて、街やホテルの雰囲気に合いそうなものを選んでいます。

─── 石井さんにとってのフォトジェニックって何ですか?

石井さん:うーん。その人にしか作れない写真を生み出すこと。「写真を遊ぶ」みたいな感じかな。加工するだけで1枚の写真が変わるし、でもその人にしか作り出せない世界だから。みんなが同じ写真を撮ったとしても、同じにはならない。クリエイティブですね。

価値観を変えた特別な旅

石井小百合 / @sayuvanila・Instagram

今までたくさんの国を旅してきた中で、彼女が最も心に残っているのはニュージーランドだといいます。大自然を間近に体感したニュージーランドでの体験を伺いました。

石井さん:ニュージーランドのテカポっていう、星空を世界遺産にしている街が印象的でした。そこは自分が想像している自然をはるかに超える自然で、毎日SFの中を歩いているような感じでした。

これ、雲かと思いきや何億っていう星の集まりらしくて、それでモヤがかかるらしいんですよ。

石井小百合 / @sayuvanila・Instagram

───これは、すごい……!

石井さん:仕事でひとりで行ったんですけど、バスで街を移動するのにも世界遺産の山の麓を通ったりするんですよ。「車窓からこんな壮大な景色が見えていいの!?」って、すごく衝撃的で。

─── まさに大自然、ですね。

石井さん:自然に癒されたかったら、ニュージーランドはオススメです。すごく地球を感じるし、すごくシンプルというか。電線もないし、本来の姿はこうだったんだろうな、なんて考えたりして。

─── これは、価値観変わりそうですね……。

石井小百合 / @sayuvanila・Instagram

─── 旅先に行ったら、まず楽しむことは何ですか?

石井さん:やっぱり現地の空間を感じたいから、バスとか電車とかもあまり使わずに、歩きながら匂いを嗅いだり。なんだか空間を吸収しているみたいで、そうゆうのがすごく好きです。

───もし、インスタグラムに新機能を追加できるとしたらどんな機能が欲しいですか?

石井さん:悩ましいですけど、匂いが出るとか。台湾だったら屋台のちょっとクサい匂いがしたり。より旅をリアルに伝えられる手段になりそう。

インフルエンサーとして、フリーランスとして

─── インフルエンサーとして初めてきたお仕事を覚えていますか?

石井さん自分の世界観に合わないものは断っているので、最初に来たものも断っているはずです。結構エステとか脱毛とかお話が来るんです。本心で言えば、「やりたい!」と思うんですけど、自分の世界観の中に絡められないので断っています。

─── 今までトラブルになった経験はありますか?

石井さん:ないです。やる前にすごく厳選しているので…

─── お仕事を受ける際に気を付けていることって何ですか?

石井さん:やる前に人としてちゃんと相手側に立つことを意識しています。メールの返信も、「この人は忙しいからここの質問はこうゆう風にしよう」とか。相手の立場に立つことが超大事ですね。フリーランスの場合は特に。

投稿のテキストに関しても、言葉選びには気をつけています。インスタは友達っぽくてもいいけど、Facebookだと仕事関係の人も見ているから「です、ます」調にしたりとか。見た人が違和感のないようにしています。

─── 私がインタビューの依頼をメールでした時も、気を使っていただいてるのを感じました。

石井さん:パソコンでやりとりをする仕事のメールは、本当は絵文字とか送りたいくらいなんです。なんか「。」って超寂しくないですか?もう慣れたんですけど…

─── そうですね(笑)ビックリマークと丸の間の何かが欲しいです。

石井さん:そうなんです、すごく寂しい!いつもその崩し方を自分なりに試行錯誤しているんですけど。難しいです、日本語って。

─── 確かに形式張ってるところがありますよね、日本は……

石井さん:でもそれが日本のしきたりだから……。ちゃんと、やります(笑)

#職業石井小百合

専門学校を卒業してからずっと“フリーランス”を貫き通してきた石井さん。その自由な発想ととてもシンプルな考え方に、旅の影響力を感じました。



─── 石井さんを表すハッシュタグを教えてください。

石井さん:職業を自分の名前って思えるのを目標で掲げているので、「#職業石井小百合」にします!

─── それにはどんな意味があるのですか?

石井さん:誰にでも当てはまると思うんですけど、会社の◯◯ですっていう役割が“寂しい”と思っていて。私も始めはずっとフリーランスだったので、職業や肩書きを聞かれた時は〈旅ガール〉とか〈トラベルフォトライター〉とか答えていたんです。

でも、仲良くさせていただいている安藤美冬さんが「職業、安藤美冬」と言っているのを聞いて、「今はそういう時代だな」と思って。連絡も、提出するものも全部自分だし、自分一人で会社をやっているような感じで。自分のライフスタイルさえ仕事になる、みたいな。

─── 今まで会社に属そうと思ったことはなかったんですか?

石井さん:全くなかったです。バイトでもそれなりにお金ってもらえるし、だったらバイトで好きなことに関わりながら日常も好きなことがしたいと思っていて。だからバイトも好きなことだけをしていました。好きなものだけを選んで固めていたので、会社に入ろうとは全然思わなかったです。

─── 周りの方もそういう方が多いんですか?

石井さん:周りはみんな就職しています。でも、就職の魅力が私にとっては分からなくて。その会社がむちゃくちゃ好きだったらいいと思うんですけど、みんな会社に入っても満たされていないような感じがするんです。だったらバイトで好きなことだけして、好きな時に休めば良いのに、と思ってしまって。

─── きっと旅の経験が生きているんですね?

石井さん:そう思います。国によっては一ヶ月3万でお金持ち、なんて国もあるし、そういうのを見ていると「働くってなんだろう…」と思っちゃって。アジア圏なんて、アパレルショップでもみんなお菓子とか食べながら接客してくるし…。いいなこの自由な感じ、日本でやったら絶対怒られると思いながら(笑)

─── 日本って就職がゴールみたいな所がありますよね。

石井さん:ですよね。でも結構去年ぐらいから自分一人で会社を持ったりする人も増えてるって聞きました。だから日本も変わりつつあるのかな、なんて思っています。

未来の自分

モデルになることが夢だったはずの女の子が、10年後世界中を飛び回るインフルエンサーになっているとは、当時は誰も思っていなかったでしょう。今、彼女は自分の未来をどのように描いているのでしょうか?


─── 今年の目標は何ですか?

石井さん:今年はテレビに出たいです。去年から、アンタッチャブルの柴田さんとウェブの番組を半年間くらいやらせていただいているんですけど、テレビって直に伝えられるから本当に楽しくて。あと、今年は民放にも出たいです。

─── それは何故ですか?

石井さん:日本人で旅をテーマにしているタレントさんっていないな、と思っていて。メイクだったらIKKOさん、お花だったら仮屋崎さん、みたいな人。だからそれを自分ができたらいいなって思っています。

─── 旅をしていて、一番自分が変わったと思うのはどんなところですか?

石井さん:生活していると、当たり前のように日常が過ぎるんです。でも旅先って、どの電車に乗っていいのかも分からないし、切符の買い方すら分からない。なんか子供に戻されたような感覚になるんですよね。「わあ、こうやって切符買うんだ!切符かっこいい!」とか、感動がたくさんあって。世界地図とかの日本って、ちっちゃいじゃないですか。そのちっちゃい中にいる私って超ちっちゃくて、そこで悩んでいる悩み事ってクソちっちゃいと思って。それで変わりましたね。

─── 具体的に、どう変わりましたか?

石井さん:日常のありがたみを感じるようになりました。当たり前に過ごせることって本当にないんだなって。いろんなことに感謝できるようになりました。

─── 石井さんにとって旅とは?

石井さん自分になれるもの。自分らしくいられるものです。








─── 石井さん、ありがとうございました!



彼女を取材して思ったのは、常に「発信」を続けてきたことが今に繋がっているということ。“好きなことを仕事にする”ということは、とても難しいようで実は固定概念によるところが大きいのかもしれません。「職業、自分」そんな風に自分をブランディングしていく石井さん。“社会の流れ”に流されない彼女はとても生き生きとしていて、多くの女性たちからも憧れの存在となっていることは間違いありません。




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